相談事例のご紹介
各種検査によって鑑別しなければならない疾患についてルールアウトし、必要な場合には腹腔鏡下肝生検を行います。
また、CT検査を行うことによって、若齢動物であれば門脈シャントの診断、高齢動物であれば腫瘍や炎症性疾患の病態の把握を同時に行うことができます。
【腹腔鏡下肝生検 切開創:3~5mmの傷が2~3カ所 時間:15~20分】
各種検査によって消化管の状態を把握し、基本的に消化管内視鏡により生検を行います。
また、粘膜下織から筋層に病変が存在することが疑われたり、消化管内視鏡の届かない領域の生検が必要な場合には腹腔鏡下にて消化管全層生検を行います。
炎症性腸疾患(IBD)、蛋白漏出性腸症、リンパ腫、その他の消化管腫瘍などをしっかりと鑑別し、適切な治療を早期に行うことが重要です。
【消化管内視鏡消化管粘膜層生検 切開創:なし 時間:上部消化管20~30分 下部消化管20~30分】
【腹腔鏡下消化管全層生検 切開創:3mmの傷が1カ所+約1cmの切開創が1カ所 時間:20~30分】
もし、膀胱内に認められる病変が悪性腫瘍であった場合、体外より針生を行うことによって腹腔内や体壁に播種を起こす危険性があります。
膀胱鏡を用いて膀胱内の病変の生検を行います。また、難治な血尿や頻尿などの排尿異常に対してもその原因究明に有用です。
ただし、超小型犬や小型の雄犬には尿道の太さの関係上、適応できない場合があります。
【膀胱鏡下膀胱粘膜生検 切開創:なし 時間:15~20分】
まず初めに、感染性の有無を確かめるための細菌やウイルス検査、CT検査を行うことで肺葉の異常病変についての把握を行います。
その上で気管支鏡を用いた気管、気管支精査(生検、気管洗浄など)、もしくは胸腔鏡を用いた切除生検を行う必要性について検討します。
その結果、胸腔鏡下検査が必要と判断された場合、び漫性の肺病変の病理診断を行うには、胸腔鏡下で2~3cm程度肺葉の一部を切除し豊富な材料にて病理検査を行うことが可能です。
また、胸腔鏡下手術がすべての適応となる訳ではありませんが、孤立性の原発性腫瘍で比較的小さな病変であれば、胸腔鏡下肺葉部分切除術を行うか、完全肺葉切除術が可能となることもあります。
【気管支鏡検査 切開創 なし 時間:20~30分】
【胸腔鏡下検査 切開創:3~10mmの傷が2~4カ所 時間:40~60分】
動物の種類、年齢などによって原因となる疾患も違ってきますが、腫瘍、炎症、異物などに分類されます。鼻汁の培養、細胞検査などを行うと共に、必要な場合にはCT検査を行います。それと同時に、2.7mmの硬性鏡、3mmの軟性鏡を用いて鼻腔内を精査し生検を行い、異物が存在した場合には内視鏡下で摘出することが可能です。
【鼻腔鏡検査 切開創 なし 時間:20~30分】
慢性的な外耳炎、中耳炎で難治なものは、アレルギー疾患の他に、耳道内に細菌や酵母菌の感染が存在し、耳道内の汚れや発毛、腫瘍、異物などの存在などが大きな原因となっています。外部からの洗浄や外用薬の投与だけでは、耳道内(特に水平耳道~中耳)の環境を改善することは困難です。このような場合には、外耳と中耳の細菌培養検査を行うと共に、全身麻酔下にて高性能な内視鏡(鉗子チャンネルを有する)を用いて、中耳までの耳道内に存在する汚れや毛を取り除き徹底的に耳道内を洗浄にします。また、腫瘍が認められた場合には、CT検査と生検を同時に行うことが可能です。
【耳鏡検査 切開創 なし 時間:30~40分】
※ご注意
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