2026.07.03
肝臓腫瘍
どんな病気?
肝臓にできる腫瘍は、肝臓からできる原発性腫瘍と、他の部分で発生した腫瘍が転移してできる転移性腫瘍に大きく分けられます。
転移性腫瘍はすべて悪性で、外科適応にはならず、予後も不良です。
原発性腫瘍には様々な種類がありますが、代表的なものとしては肝細胞癌、胆管癌、血管肉腫などがあります。それぞれ転移のしやすさが異なるため、治療や予後が異なります。
肝臓腫瘍は重度にならないと症状に表れることがほとんどないため、早期発見、早期治療のためには定期的な健康診断がとても大切です。
症状
肝臓腫瘍に特徴的な症状はなく、健康診断時に偶発的に発見されることがあります。腫瘍が大きくなると腹囲膨満や食欲不振などがあらわれ、重度になると黄疸など肝不全症状を示すようになります。
診断方法
重度にならないと血液検査では異常を示さないことが多いため、画像診断を行うことが重要です。超音波検査が腫瘍を発見するのには有効ですが、腫瘍が大きくなると血管などとの関連が見えにくくなります。外科的な治療を考える場合には、CT検査を行うことで主要血管との位置関係を確認し、摘出可能かを判断します。
治療方法
肝臓原発性腫瘍の中で一番多い肝細胞癌は比較的進行がゆっくりで、転移率も低いため外科的な摘出が第1選択になります。肝臓は全体の3/4までは切除可能と言われていますが、巨大すぎる腫瘍になると摘出するのは困難です。
犬の肝臓は、人とは違い6つの肝葉とよばれる構造に分けられます。この肝葉のどこに腫瘍があるか、またその大きさによって、肝臓腫瘍の外科手術の方法は2通りに分けられます。1つは肝葉の辺縁に小さな腫瘍が単一である場合、部分的肝葉切除という方法が適応されます。肝葉の根元近くに腫瘍がある場合や2つの肝葉にまたがって腫瘍がある場合には、肝葉全切除という方法が適応になります。
腫瘍の大きさや位置にもよりますが、当院では、傷が小さく痛みの少ない腹腔鏡を用いた肝臓腫瘍摘出術を行っています。