2026.01.08
乳腺の腫瘍
どんな病気?
の子の中で最も発生の多い腫瘍です。乳腺にあるしこりが乳腺腫瘍の疑いがあります。乳腺腫瘍は性ホルモンの影響を大きく受け、避妊手術をしていない高齢の女の子で多く発生します。
イヌの乳腺腫瘍のうち50%が良性、50%が悪性で、さらに悪性のうちの50%は早期から転移をおこすなど経過が悪いと言われています。また腫瘍のサイズが3cm以上になると生存期間が短くなると証明されています。つまりは多くの乳腺腫瘍は、しこりが小さいうちに手術すると治すことができます。
それに対してネコの乳腺腫瘍は大部分が悪性です。そのため予防がとても重要になってきます。予防としては、腫瘍の発生と避妊手術との関連性が報告されており、初回発情前に避妊手術を行うことで腫瘍の発生率を低下させることができます。
症状
通常イヌの乳腺は5対、ネコは4対あり、そのどこかにしこりがあると乳腺腫瘍を疑います。
一般的に悪性の腫瘍は大きくなるスピードが速く、しこりの表面がでこぼこしたり、しこりの周りにくっついていたりすることがあります。
診断方法
しこりに針を刺して細胞の検査を行います。この検査で乳腺腫瘍なのか、他の種類の腫瘍なのかを診断します。この針での細胞診では乳腺腫瘍とわかっても、良性なのか悪性なのかの判断はできません。手術を行い、摘出した乳腺の病理組織学的検査で良性か悪性かを診断します。
治療方法
良性悪性の診断のためにも、治療のためにも手術による摘出が一般的です。
手術でどの部分までの乳腺を摘出する必要があるかは、腫瘍の大きさや数、場所により決定します。
ただすべての症例で手術ができるわけではなく、他の臓器へ転移している場合は手術をしても完治させることができないので手術を見合わせることがあります。また乳腺腫瘍のなかには炎症性乳がん(非常に悪いがん)といわれるものがあり、これはしこりを作らずに乳腺が板状に硬くなり激しい痛みを伴います。この炎症性乳がんの場合も手術により状態を悪化させてしまう可能性があるため手術は行うことができません。
予防法
初回発情前に避妊手術を行っておくことで乳腺腫瘍の発生率をかなりおさえることができます。当院では、最新の麻酔機器による管理と傷が小さく痛みの少ない腹腔鏡を用いた内視鏡手術で避妊手術を行うことができます。