2022.04.20
膀胱結石
言わずと知れた、膀胱の代表的疾患です。尿の中にミネラルでできた固い石が作られてしまい、血尿・頻尿・排尿痛、場合によっては、細菌感染を引き起こします。万が一、結石が尿道につまってしまう(尿閉塞)と、尿が出せず、命に関わります。
最も多い結石はストラバイトと呼ばれるマグネシウムとリンからできた石で、基本的にあらゆる犬種・猫で発生します。他にもシュウ酸カルシウムや尿酸アンモニウムなどがあげられます。
頻尿の原因が何らかの結石なのか、細菌感染なのか、もしくは膀胱の壁にポリープなど新生物があるのか、これらをはっきりさせるには尿検査とエコー検査が有用です。
もし、ストラバイトが原因であれば、食事療法で溶かす事ができる可能性がありますが、シュウ酸カルシウムによる膀胱炎であった場合、結石の外科的摘出が必要になります。ルカでは腹腔鏡を使って、最小限の膀胱切開ですむように工夫をして結石の摘出を行っています。カメラを尿道側まで挿入して吸引しながら石を探すので細かい砂状の石を取り残す可能性が限りなくゼロにちかづきます。
尿酸アンモニウムが原因であった場合は、膀胱だけでなく、肝臓の病気(門脈体循環シャントという肝臓へつながる血管の病気)が根本に隠れている可能性を考えなければなりません。また、万が一膀胱の壁に腫瘤やポリープが見つかった場合は移行上皮癌という悪性腫瘍の可能性を考えて検査をすすめていきます。
ちょっとした膀胱炎から、おもわぬ病気が見つかることもあります。健康診断に尿検査をうけていただき早めに石が見つかれば、尿閉塞や膀胱炎になる前に対処できることもあります。 ぜひ、獣医師にご相談ください。